出張

今日から出張である。
駅からすぐそこが海。
宵の口に熱っぽい身体を涼しい風にさらして、レトロな喫茶店に入り早目の夕餉、カレーと珈琲を飲んだ。どちらも深みのある、どこか懐かしい味だった。
それから誰もいない静かな海沿いを歩いた。波と風の音しか聞こえない、見知らぬ場所でベンチに腰掛けて空に浮かぶ星を眺めていると、数年前に訪れた遠い、ここからは本当に遠い魔法の島のことが自然と頭の中を満たしていた。地球という星の空間、全てが繋がっているような気がした。
さ、瞑想して早く寝るか。